家族でできる「ネットパトロール」~ネット上での子どもの見守り方~
ネットパトロールとは?
ネットパトロールとは、SNSやブログの投稿を始めとした子どもたちのインターネット上の行動を見守る活動です。犯罪の被害やネットいじめ等のトラブルに子どもが巻き込まれることを防ぐ目的で行われています。
令和2年版情報通信白書によると、2019年における個人の年齢階層別インターネット利用率は、13歳~19歳では98%を超えており、6歳~12歳のインターネット利用率も前年に比べて大きく上昇しています。
また、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用は13歳~19歳で8割以上、6歳~12歳でも2割以上です。各層の利用率は前年よりも高くなっており、今後も上昇していくことが予想されます。
出典:「令和2年版情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/n5200000.pdf
今の子どもたちはインターネット上の情報を閲覧するだけでなく、SNS等を使用して誰でも簡単に情報を発信できる環境にいます。このような環境では、個人情報を特定されてしまう、投稿によって炎上してしまう、ネットいじめに発展するなどのリスクが存在します。子どもがネットの危険から身を守る知識を持っていないと、そのリスクはより高まります。そこで活用されているのがネットパトロールです。
ネットパトロールでは、子どもによる個人情報や誹謗中傷などの不適切な書き込みが行われていないかSNSやブログ等をチェックし、該当する投稿が見つかった場合は学校や教育委員会等に情報の提供を行います。
地域や学校によってネットパトロールの実施状況には違いがあり、PTAの有志や地域のボランティアによって行われている場合や、企業サービスやNPO法人と連携している場合など、様々な形があります。
参考:学校ネットパトロールに関する取組事例・資料集(教育委員会等向け)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/081_1/houkoku/1325771.htm
個人でも出来るネットパトロール 主なポイント5点
では実際にネットパトロールではどんな投稿がチェックされているのでしょうか。主なポイントを以下にご紹介します。
特別な機械や権限がなくてもできるので、お子さんや地域の学校に通う子どもを思い浮かべてやってみましょう。
※LINEなどの許可されたメンバー以外は見られないメッセージや、Twitterの非公開アカウントなどは調べられません。
・学校名、個人名を掲載している
Twitterやインスタグラム等のSNSやブログサイトなどで、対象の学校名を検索してみます。学校名は、正式名称より略称の方が検索で多くヒットする場合があります。(例:「セキュリティ中学校」→「セキュ中」)
・顔写真を掲載している
プロフィール画像や画像の欄に自分の顔写真を載せていないかチェックします。顔写真が掲載されていると、名前や学校名と紐づけて個人の特定が簡単になります。自分だけでなく、友達の写真を許可なく載せている場合はその友達もトラブルに巻き込んでしまうかもしれません。
・地域が特定できる書き込み
普段よく行くスポットやお気に入りの店についての投稿が、個人情報特定のヒントになることもあります。
その地域で有名なショッピングモール名等の施設で検索してみると、付近に住む人の投稿が見つかるかもしれません。こちらも、施設の正式名称以外にも普段呼ばれている通称や略称でも検索できます。
よく行く施設名などが具体的に書かれていると、行動範囲が特定されてしまう恐れがあります。以前流行した、「〇〇(場所)なう」といった投稿もリアルタイムで滞在場所が分かる危険があると言われていました。
・フォロワー(友達)や、会話している相手からも情報が取得できる
注意すべきは本人の投稿や写真だけではありません。会話をしている相手の発言から、地域や学校などを割り出すこともできます。問題のある投稿をしているのが一人だけでも、フォロワーやネット上の会話から芋づる式に同じ学校や部活の知り合いを発見・特定されてしまう可能性があるのです。
・飲酒・喫煙・誹謗中傷等の心配な行動
未成年であることが分かるアカウントから飲酒・喫煙をしていることを伺わせる投稿がある、また誹謗中傷が投稿されているなどの心配な行動が見られる場合はこちらも注意が必要です。文章だけでなく掲載された写真から判明するケースもあります。(お酒、煙草の写真など)
いかがでしょうか。
これらのポイントは、ネットストーカーや犯罪者が情報収集や投稿者特定をする時にも注目されています。ネットパトロールをする側の目線に立ってみると、投稿一つにどのような情報が含まれているかが分かります。自分やお子さんの身を守るためにも、SNSやブログに投稿する前に注意すべきことを一度考えてみましょう。
ネットパトロールの意義とは?
ネットパトロールの目的はインターネット上の危険から子どもを見守ることにあり、問題のない投稿をいたずらに監視したり、報告したりすることはありません。それでも、誰かに自分の投稿を監視されるなんて気持ち悪い、必要ない、と反感を抱く人もいると思います。
しかしインターネット上に公開している以上、その情報は誰に見られてもおかしくはないのです。そしてその「誰か」が友達でも、ネットパトロール目的の人でも、ストーカーや犯罪目的の人でも......。
「この投稿、知り合い以外に見られても問題ないかな?」
投稿ボタンを押す前に子どもが一度考えてみるきっかけになるだけでも、ネットパトロールの意味はあります。
まとめ:ネットの世界で子どもを見守るには
今後もネット技術は進み、SNS・ブログ・オンライン会話など子どもたちを取り巻くネット環境は変わっていきます。そんな中でも子どもを危険から守るには、新しいネットの知識や考え方を取り入れ、また時代に合ったネット利用のルールを子どもたちと相談しながら決めていく必要があるでしょう。
ネットの世界は現実の世界と繋がっています。交通ルールや校則と同じように、子どもたちがネット上の世界でもトラブルから身を守りながら安全に楽しく行動できる環境を作っていきたいですね。
フィルタリングソフトでさらに危険をブロック
安全かつ快適にインターネットを利用したい、お子さんや高齢者を含む家族のインターネット利用を見守りたい、という方には専用のフィルタリングソフトの使用もおすすめです。
「i-フィルター」は有害情報を含むサイトをブロックし、利用者をネット上の危険から守ります。