人気急上昇の「TikTok」!その魅力と危険を回避する設定【連載】大人が知らない子供達のネット事情 Vol.5 鈴木朋子/ITジャーナリスト

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子どもに人気があるアプリといえば、LINE、Twitter、YouTube、そしてInstagramが思い浮かびますが、今年に入って人気が急上昇したサービスがあります。それが「TikTok」です。

最近では江崎グリコが制定した11月11日の「ポッキー&プリッツの日」に合わせ、「#ポッキー何本分体操」をお題としたTikTok動画を募集するキャンペーンを実施し、5日あまりの期間中の応募数は2万件を超え、一部の応募動画については渋谷の街頭ビジョンでも放映したそうです。

その人気ぶりはデータにも出ています。TikTok(ティックトック)は、中国でソーシャルメディア大手「Toutiao(今日頭条)」を運営するBytedanceによるショートムービーアプリです。投稿の時間は15秒(一部のユーザーは60秒)で、BGMに合わせて踊ったり、歌に合わせて口パクしたりする自撮りの動画がメインです。ネットの広告だけでなく、テレビや街頭にもたくさん広告が出ているので目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

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プリキャンティーンズラボ byGMOが2018年5月に発表した「女子中高生と動画サービスに関する調査」では、「動画を視聴したことのあるSNS」として、中学生は「LINEのタイムライン(75.1%)」、「Twitter(50.5%)」に続いて第3位に「Tik Tok(46.8%)」が入っています。高校生は、「Twitter(63.8%)」、「LINEのタイムライン(54.2%)」、「Instagram(52.8%)」に続いて、「MixChannel(26.2%)」、「TikTok(25.5%)」と5位にランクインしています。中学生に人気のようにも見えますが、高校生は同じショートムービーアプリとして先にサービスを開始していたMixChannelを以前から使っているため、利用率が低いのだと思われます。また、この調査は5月に行われているので、認知が拡がった現在は、さらにTikTok人気が上昇しているでしょう。

プリキャンティーンズラボ byGMO

「女子中高生と動画サービスに関する調査」
~女子中高生の9割超がオンライン動画を利用、女子高生が最も頻繁に動画を投稿するSNSは「Instagram」~
https://lab.prcm.jp/online-movie/

TikTokは若い女性が踊っているイメージですが、最近では男性も投稿していますし、年齢層も広がっています。芸能人も個人のアカウントを作って投稿し、人気を呼んでいます。お笑い芸人やアーティストなど、有名な人たちが自分たちと同じダンスを踊る様子は、親しみを感じて嬉しいですよね。

また、親子の微笑ましいダンスや、我が家のペット、料理などの動画も盛んにアップされています。とはいえ、やはりメインは自撮りダンスです。TikTok内で流行りの振り付けや曲があり、ユーザーはそれを真似しています。例えば、「#だれでもダンス」というハッシュタグを付けて踊る動画は、体全体ではなく手振りだけで踊ることができます。また、人気シンガーの倖田來未さんがカバーした1980年代のヒット曲「め組のひと」に合わせて目の横でVサインする動画も大流行しました。

TikTokの人気の理由は、このようにオリジナルコンテンツを作る必要がない点です。すでに定番となっているフォーマットがあるため、それを「試しにやってみる」という体裁で投稿すれば恥ずかしくないこと、何かを作り出す必要がない気軽さが受け入れられています。また、アプリには美顔加工ができる機能があり、自然な感じで肌をきれいに、アゴを細く、目を大きくすることができます。画面を大きく動かしたり、動画を早送りのように加工したりといった動画のプロが行うような仕掛けも、あっという間にできます。実は高度なテクノロジーがTikTokを支えており、ユーザーはそれを感じることなく、動画を楽しむことができるのです。

TikTokでの個人情報流出に注意する

TikTokを見るには、「TikTok」アプリをインストールします。起動すると、いきなりオススメ動画が再生されるので、画面を上にフリックしてどんどん次の動画を見ていきましょう。

保護者の観点から見ていくと、あることに気づくかもしれません。それは、学校内で撮影している高校生が多いこと。休み時間や部活の合間に、友人と撮影し合って遊んでいるためです。中学生はスマホの校内持ち込みを禁止されていることが多いため、放課後や自宅での撮影が多く見られます。

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ここで問題になるのは、個人情報の漏洩です。学校内で撮影すると、当然ですが制服や体操服で写ります。学校名がすぐわかってしまうのです。顔ももちろん出していますし、アカウント名に本名を書いている人もいます。放課後に自宅近辺で撮影している動画も、場所を割り出すことが簡単にできてしまいます。動画は静止画よりも発信する情報量が多くなるため、より注意が必要なのです。

さらに、TikTokにはDM(ダイレクトメッセージ)機能があり、フォローした相手にメッセージを送ることができます。出会い目的の大人からメッセージが届いてしまうかもしれません。

TikTokを利用している中高生に話を聞くと、「TikTokに投稿している子は痛い」と、他のサービスに比べて投稿のハードルが高いことがうかがえます。とはいえ、人気のダンスを友人と楽しみたい気持ちはあるので、撮影した動画をTikTokに投稿せず、自分のスマホに保存し、LINEのグループなどで共有しているとのこと。もちろんそれでも安全ですが、さらに万全を期すにはアカウントを作る段階で「プライベートアカウント(非公開)」にすることを勧めてください。非公開にすると、承認した人のみに動画を閲覧させることができるようになります。

さらに、アカウントの設定では、メッセージを送ることができる人や自分の動画をダウンロードできる人を制限することができます。最初はすべてオープンな状態に設定されていますので、「友達」にして許可した人だけにすると安心です。もちろん、知らない人と繋がらないことが前提です。

「何時間見ても飽きない」と中高生たちを夢中にさせているTikTokですが、投稿するとなったらプライバシーに注意が必要です。お子さんがすでにTikTokアカウントを持っているようであれば、設定をチェックしてみてくださいね。

設定方法

アカウントの画面で右上のメニューボタンをタップし、「プライバシー設定」をタップ。「プライベートアカウント」にして、設定はすべて「友達」に変更する。

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