動画配信サービスを取り巻くフィッシング詐欺の事例

特集記事

動画配信サービスの利用者は年々増え続けており、それに伴って動画配信サービスを騙るフィッシング詐欺の事例も多く見られています。

動画配信サービスの状況

世界の動画配信市場は年々拡大しており、定額制サービスの普及や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う巣ごもり需要の拡大などにより2021年には9兆9,310億円(前年比24.5%増)となりました。日本では、2021年には動画配信市場は4,614億円(前年比19.0%増)となっており、世界の動向と同様に成長していることが分かります。

「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代で最も利用率が高いのは「YouTube」(87.9%)で、次いで「Amazon プライムビデオ」(35.5%)でした。「ABEMA」の利用率は10代が高く、「Netflix」は20 代、「TVer」は30 代及び 40 代と各年代によって特徴的になっています。

動画配信サービスのフィッシング詐欺の事例

Youtube

YouTubeの月間利用者数は日本国内だけでも7,000万人以上を超え、利用率の高い動画配信サービスの一つです。YouTubeの規約が改定されるとユーザーに案内メールが送られますが、そのメールを騙ったフィッシングメールが確認されています。

メール本文は「YouTube収益化の規約が変更されたので確認してください」等の文言で、リンクを踏ませてYouTubeアカウントにログインさせようとしたり、規約の文書をダウンロードさせようとしたりしてきます。「確認しない場合は動画の投稿、収益化や収益の受け取りを制限します」と書いていることもあり、動画で収益を得ている人の関心を引いてアクセスを促してきます。

「YouTube収益化の新しい規約を確認して」 配信者・クリエイター狙う詐欺メール Googleが注意喚起

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/06/news114.html

Netflix

Netflix を騙ったフィッシングメールも確認されています。こちらは実際に筆者に届いた「we paused your n͏etflix membership」という件名のメールです。

Netflix を騙ったフィッシングメール

英語で書かれたこのメールを訳すと、「現在の会員情報に問題があり、2日以内にお客様のNetflixアカウントは停止されます。アカウントを維持するには、2023年6月1日までにサインインしてください。」といった内容が書かれています。

ちなみにこのメールの受信日は5月31日でした。翌日をタイムリミットにすることで考える時間を減らし、ユーザーからの連絡を急かす手口です。

Netflixは「アカウントを安全に保つためのヒント」を紹介しています。

フィッシングまたはNetflixを名乗る疑わしいメールやテキストメッセージ

https://help.netflix.com/ja/node/65674

Hulu

Huluについても、ロゴや企業名を使ったフィッシングメールから偽サイトへ誘導し、個人情報やクレジットカード情報を入力させようとする事例が確認されています。Huluは「メール内に記載されたリンクへアクセスし、個人情報やクレジットカード情報の入力はしないようお願いいたします。」と注意喚起を出しています。

[重要なお知らせ]Hulu を装ったフィッシングサイトにご注意ください

https://help.hulu.jp/hc/ja/articles/900006049086--重要なお知らせ-Hulu-を装ったフィッシングサイトにご注意ください

Amazonプライムビデオ

Amazonプライムビデオが利用できる「Amazonプライム」について、会員資格がキャンセルになった、支払い方法に問題がある等の内容のフィッシングメールが確認されています。

筆者のアドレスに届いたのは「プライムの会費をご請求することができませんでした。引き続きプライムの特典をご利用されたい場合、お支払い方法を更新するには以下のリンクをクリックしてください」というメールです。中身を読んでみると日本語が不自然で違和感があります。

Amazonプライムビデオのフィッシングメール

最近では、2023年8月24日に会費が値上がりしたこともあり、そのような情報を悪用したフィッシングメールが増えることが予想されます。

Amazonでは、どのようなメールをAmazonから送ったかを調べることができる「メッセージセンター」というメニューがあります。メールが本物なのか、メッセージセンターで確認するようにしましょう。

Amazonメッセージセンターの確認方法

https://www.onlinesecurity.jp/feature/20230629.html#p07

まとめ

全く知らない人からのメールやSMSは警戒しますが、普段利用しているサービスから連絡が来たら一度は開いて読んでしまいますよね。犯罪者側は実在の企業やサービスを騙ったメールを多くのアドレスに一斉に送っているため、受け取った人の中には「そういえば登録しているクレジットカードの有効期間が過ぎていたかも」「毎日使っているのに、アカウントが停止されたら困る」など、心当たりや急いで対応したい事情がある人もいるでしょう。

多くの人が日常的に利用している動画配信サービスだからこそ、フィッシング詐欺の標的になる可能性も高まります。メールを開く前、リンクをクリックする前に正規のサービスかどうかを確認することが大切です。

あわせて読みたい